『典座-TENZO-』(2019年/ DCP / 62分)

第72回カンヌ国際映画祭 批評家週間「特別招待部門」 正式出品作品

現代日本にとって信仰とは何か?
福島と山梨に生きる二人の若き僧侶の苦悩を軸に311以降の仏教の意義を紐解く

《解説》
本映画に出演しているのは全国曹洞宗青年会の実際の僧侶たち。映画製作にあたり、彼らが一番話を聞いてみたい曹洞宗の高僧、青山俊董老師の元を実際に訪ね交わされた対話を軸に、福島、山梨、長野、そして中国の自然のなかで繰り広げられる、現代日本の僧侶たちの日常が、時空を超え、円環しはじめる。富田克也監督は本作において、仏教とそれを取り巻く311以降の日本社会の姿を真っ向から捉えた。

《物語》

10年前、本山での修行を共にした兄弟子の隆行(リュウギョウ)と弟弟子の智賢(チケン)は福島と山梨のそれぞれのお寺に戻った。智賢は、住職である父と、母、妻、そして重度のアレルギーを抱える3歳の息子と共に暮らしている。一方の兄弟子・隆行は福島県沿岸部にあったかつてのお寺も、家族も檀家も、すべてを津波によって流されてしまい、今では瓦礫撤去の作業員として、ひとり仮設住宅に住みながら本堂再建を諦めきれずにいた___。

スタッフ 監督 富田克也 脚本 相澤虎之助・富田克也 撮影・照明 スタジオ石 録音・整音 山﨑巌 編集 富田克也・古屋卓麿 音楽 右左口竹の会 Suri Yamuhi And The Babylon Band NORIKIYO 題字 藤田喜彦 デザイン 今村寛 スチール 山口貴裕 VFX 定岡雅人 WEB 山田俊哉 製作 全国曹洞宗青年会 プロデュース 倉島隆行 協力 大本山永平寺 大本山總持寺 曹洞宗宗務庁 宣伝 岩井秀世 配給 空族


上映後ゲストトーク

「3.11後の仏教をめぐって」

南直哉 みなみじきさい(福井県曹洞宗霊泉寺住職・青森県恐山菩提寺院主代理) × 空族

南直哉 プロフィール

1958年 長野県生まれ。禅僧。早稲田大学第一文学部卒業後、大手百貨店勤務を経て、1984年に曹洞宗で出家得度。同年、曹洞宗大本山永平寺に入山。約20年の修行生活ののち、2003年に同寺を下山。現在福井県霊泉寺住職、青森県恐山菩提寺院代(住職代理)

2018年、「超越と実存ー「無常」をめぐる仏教史」(新潮社)で小林秀雄賞受賞。ほか著書に『語る禅僧』(ちくま文庫)、『なぜこんなに生きにくいか』(新潮文庫)、『恐山 死者のいる場所』(新潮新書)、『日常生活のなかの禅』(講談社)、『「問い」から始まる仏教―「私」を探る自己との対話』(佼成出版社)、『老子と少年』(新潮文庫)、『「正法眼蔵を読む」ー存在するとはどういうことか』(講談社選書メチエ)、『賭ける仏教』(春秋社)、『善の根拠』(講談社現代新書)、『刺さる言葉―「恐山あれこれ日記」抄』(筑摩書房)、『出家の覚悟』(サンガ)等多数。